製造業・卸小売業(食肉加工・卸売・小売)
山吉フード株式会社
オープンイノベーションテーマ
地域食支援パートナーシップ事業~沖縄の「もったいない」を、地域の未来につなげる~
- 対象領域・業界
- 食品(フードテック/食品ロス削減)/福祉・子育て支援/地域流通・小売/CSR(企業の社会貢献支援)
- 担当メンター
- 株式会社アルファドライブ 豊吉真吾
共創テーマ
- テーマ設定の背景
-
山吉フードは、食肉加工・卸売・小売の中で日々発生する未利用肉・未利用食品を、沖縄産の高品質肉(黒毛和牛・アグー豚等)と組み合わせて「地域食支援パートナーセット」として商品化します。これを企業・一般消費者へ販売し、生まれる売上・協賛を地域の食支援へ循環させる仕組みをつくります。シングルマザーや生活困窮世帯は、就労構造上の制約や支援を受けることへの心理的抵抗、情報の届きにくさといった課題を抱えている一方、地域の中小企業もCSR活動を継続する体制やノウハウを自社だけでは持てずにいます。「買うことが、地域支援につながる」仕組みを通じて、双方の課題を同時に解決するため本テーマを設定いたします。
事業仮説
- 顧客像の仮説
-
顧客像①:支援対象世帯(受益者) 属性:名護市近郊在住、30代のシングルマザー。小学生・未就学児の子供が1~2人。非正規雇用を複数掛け持ちしており、月々の収入が不安定。 利用シーン:仕事終わりの夕方、事前にLINEやWEBで予約していた商品セットを、指定拠点(山吉フードの直売所や地域の協力拠点)で、引換券やQRコードを使って周囲に気づかれずに受け取る。冷凍・レトルトで保存が効くため、忙しい平日でも子供に栄養のある食事を用意できる。「支援を受けに来た」というより、「いつもの買い物のついでに立ち寄る」感覚に近い体験を想定。
顧客像②:パートナー企業(協賛主体) 属性:名護市内の中小企業、従業員20~50名程度。総務・人事担当者が1~2名で、CSR・SDGs活動を任されているが、専任ではなく他業務と兼務。継続的な企画運営に割ける時間がない。 利用シーン:月に一度、「地域食支援パートナー商品セット」が会社に届く。社内の休憩スペースに置き、従業員が自由に持ち帰る、あるいは福利厚生として配布する。同時に届く「地域食支援パートナー認定証」(支援食数・削減量などの実績付き)を、自社のSNSや採用ページにそのまま掲載し、大きな労力をかけずにCSR発信を継続できる。
- 課題仮説
-
顧客①:支援対象世帯(シングルマザー・生活困窮世帯) 表面的な症状:日々の食費・栄養確保が難しい/保存の効く食材を安定入手する手段が限られている/既存の食支援を利用することへの心理的抵抗がある
本質的な課題(根本原因): 就労構造の課題:シングルマザーというだけで正社員雇用の選択肢が狭まり、複数の非正規・短時間労働の掛け持ちを強いられ、時間にも収入にも余裕がない 支援と本人の距離(スティグマ):既存の支援は「受けていることが周囲に見える」形になりがちで、それ自体が孤立感・抵抗感を強め、本当に困っている人ほど手を伸ばしにくい 情報の断絶:支援制度・食料提供の情報が、必要としている世帯まで届く経路として整備されていない
顧客②:パートナー企業(協賛・CSR側) 表面的な症状:CSR・SDGs活動を「毎年同じような単発イベント」で終わらせてしまう/発信できる素材や実績データがない/担当者が忙しく運用が続かない
本質的な課題(根本原因): 専任リソースの構造的不足:中小企業の総務・人事担当者は、CSRを本業と兼務で任されており、企画・運営に割ける時間がそもそも存在しない 可視化の手段がない:地域貢献をしていても、それを社内外に「実績」として見せる仕組み(データ・認定証等)を自社だけでは持てない 単発で終わる構造:一度きりの寄付やイベントは実施しやすい一方、「継続的な地域貢献」を仕組み化するノウハウやパートナー先を、自社だけでは見つけにくい
- 現状の課題検証状況
-
① 就労構造の課題:シングルマザーというだけで正社員雇用の選択肢が狭まり、複数の非正規・短時間労働を掛け持ちせざるを得ない。結果として、時間にも収入にも恒常的な余裕がない状態が続く。 ② 支援と本人の距離(スティグマ):既存の食支援は「支援を受けている」ことが周囲から見えやすい形で提供されがちで、それ自体が孤立感や抵抗感を強めている。本当に困っている人ほど、支援に手を伸ばしにくい構造になっている。 ③ 情報の断絶:支援制度や食料提供の情報が、本当に必要としている世帯まで届く経路として整備されていない。
- 事業アイデア
-
①「稼ぐ機能」で支援を持続可能にする(就労構造・継続性の課題への対応) 企業からの月額協賛費(地域食支援パートナー制度)を収益の柱とし、その利益を支援原資として循環させる。単発のボランティア配布ではなく、事業として継続することで、支援を「一時的な施し」ではなく「継続的に受けられるもの」に変える。
②匿名で受け取れる仕組み(スティグマの課題への対応) 事前予約制+指定拠点での引換券・QRコード受け取りにより、「支援を受けている」ことが周囲に見えない設計にする。基本コンセプトを「買うことが、地域支援につながる」としているのも、支援対象者本人が施しではなく、循環の一部として受け取れる状態を作るため。
③柔軟な雇用の場を自社で提供する(就労構造そのものへの対応) 加工・配送・パッキング等の業務で、シングルマザーが子供の学校行事や体調不良に対応できる短時間勤務・シフト制を用意する。支援を「受け取るだけ」でなく「働き手として関わる」導線も同時に作ることで、収入の不安定さという根本原因に直接アプローチする。
④情報が届く経路を地域と一緒に作る(情報断絶への対応) 名護市福祉課・地域の母子支援団体と連携し、本当に必要としている世帯まで情報と受け取り経路を届ける仕組みを、PoC期間中に共同で検証する。
- 自社アセット・強み
-
①食肉加工技術・現場 黒毛和牛・アグー豚を含む食肉加工のノウハウがあり、未利用肉・端材を「価値ある商品」に変える技術基盤がすでにある。ゼロから商品開発をする必要がない。
②卸売・小売業として培った仕入れネットワーク 食肉に加え、賞味期限の「3分の1ルール」から外れた菓子類・冷凍野菜・魚介類などを仕入れられるルートを持つ。これにより、商品の幅と原価優位性の両方を確保できる。
③直売所という物理的な受け取り拠点 すでに社内に直売所を設置済み。②の「匿名で受け取れる仕組み」を新たに一から作らなくても、既存拠点を起点に予約・受け取りの実証ができる。
④支援活動の実践実績(ノウハウの土台) コロナ禍でのSNSを通じた無料お肉配布、待機児童を抱える母親向けのベビーベッド設置・子連れ出勤・短時間日払い勤務の提供など、すでに小規模ながら「困っている人に手を差し伸べる」実践を重ねてきた。これは今回の事業アイデアの再現ではなく延長線上にある。
⑤代表者自身の当事者としての知見・信頼関係構築力 代表者自身がシングルマザーとして子育てと仕事を両立してきた経験を持つ。支援対象者が抱える「支援を受けることへの心理的ハードル」を実感として理解しており、対象者との信頼関係を築きやすい立場にある。
⑥地域ネットワークとの接点 名桜大学、名護市福祉課、地域の母子支援団体など、必要な連携先へのアクセスがすでにある状態からスタートできる。
- 想定する共創の形
-
①技術提供を受けたい領域(デジタル・AI) 需要予測・実績管理:未利用肉・未利用食品の発生タイミングや量を予測し、加工スケジュールを効率化。あわせてPoC期間中の実績(支援食数・削減量等)を簡易に記録・可視化する仕組み。 予約・受け取りプラットフォーム:支援対象世帯が匿名で予約・受け取りできるアプリやWEBの仕組み。企業向けEC・パートナー管理も含めた土台。
②共同開発をしたい領域 名桜大学(健康科学部)との商品・レシピ共同開発:高タンパク・高栄養で、家庭で簡単に調理できるメニューを、栄養学の専門知見を借りながら開発。技術提供というより、大学の知見と山吉フードの加工現場を持ち寄る「共同開発」の形。 企業向け商品セットのブランディング:マーケティング・ブランディング企業と、「ソーシャル・エシカル商品」としての見せ方(パッケージ、ストーリー訴求)を一緒に作る。
③販路提供を受けたい領域 企業・地域拠点への導入:地域の中小企業に、福利厚生としての商品導入や、販売・支援拠点としての場所提供をしてもらう。山吉フード単独では持っていない企業ネットワークを補ってもらう形。 (ホテルは現時点で協力先がなく対象外。前回お伝えした通り、企業・一般消費者に絞って実証する方針)
④山吉フードから相手に提供するもの(一方通行にしない) 技術・販路を「もらうだけ」ではなく、山吉フードからは①食肉加工の現場とノウハウ、②未利用食品の仕入れネットワーク、③名護市・名桜大学・地域母子支援団体との連携網、④PoCで得られる実証データを提供する。共創パートナーにとっても、「実証フィールドと地域ネットワークへのアクセス」という価値を返せる関係性を想定している。
募集要件
パートナー企業に求める条件です。
- 求める技術・サービス・ノウハウ
-
需要予測・実績管理(デジタル):未利用食材の発生量・タイミングの予測や、支援実績(提供食数・食品ロス削減量等)を簡易に記録・可視化する仕組み 予約・受け取りプラットフォーム(EC/アプリ):支援対象世帯が匿名で予約・受け取りできる仕組み、および企業向け販売・パートナー管理を担うEC基盤 マーケティング・ブランディング:「地域食支援パートナーセット」のブランド開発、沖縄土産としての商品展開、企業向け営業支援 地域拠点・ネットワーク:福利厚生としての商品導入、販売・支援拠点の提供、CSR活動への参画
【必須要件】 沖縄県内で実施するPoC(半年間程度)に、継続的に伴走いただけること 山吉フード側の実行体制(社内専任2名+シフト制メンバー)でも無理なく導入・運用できるプロダクト・サービスであること 「食品ロス削減」と「地域の子育て・生活困窮世帯支援」という社会的意義に共感いただき、技術・サービスの提供に留まらず、事業化に向けて共に検討いただけること PoC期間中に得られるデータ・知見をオープンに共有し、双方の事業成長につなげる関係を築けること
- 求める企業フェーズ・規模感
-
デジタル・AI領域:スタートアップ~アーリーステージの企業を想定。実証段階からスピーディーに一緒に検証を進めていただけるフェーズを歓迎します。 マーケティング・ブランディング領域:地域企業のブランディング支援の実績をお持ちの、専門特化型の企業・チームを想定。大規模な代理店よりも、小規模でも機動力のある体制を歓迎します。 地域拠点・ネットワーク領域:沖縄県内、特にやんばる地域に事業基盤をお持ちの地域企業を想定。規模の大小よりも、地域とのつながりの深さを重視します。
共通の考え方:小規模な体制で本事業を推進しています。大企業のR&D部門との連携も歓迎しますが、その場合も、意思決定のスピード感を合わせて動いていただけることを重視します。「小さく試して、素早く見直す」PoCのスタイルに、一緒に取り組んでいただける規模感・フェーズの企業を広く募集します。
- 求める実績・提供可能なアセット
-
【求める実績】 大規模な導入実績は必須としません。むしろ、PoC・実証段階から一緒に検証を重ねてきた経験や、小規模事業者との伴走に慣れている実績を歓迎します。 デジタル・AI領域:需要予測や予約・受け取りプラットフォームなど、類似領域でのMVP開発・小規模PoCの実績 マーケティング・ブランディング領域:食品・地域産品のブランディング、またはソーシャルグッド領域での商品開発・発信の実績 地域拠点・ネットワーク領域:沖縄県内(特にやんばる地域)での事業実績、または地域貢献活動への参画実績
【山吉フードが提供できるアセット】 沖縄県内の食肉加工ノウハウと現場(黒毛和牛・アグー豚等の取り扱い) 未利用肉・未利用食品(賞味期限「3分の1ルール」外れ品含む)の仕入れネットワーク 名護市・名桜大学・地域母子支援団体との共創ネットワーク PoC期間中に得られる実証データ(企業の反応、食品ロス削減量、支援実績、受益者の声) 直売所という、すでに稼働している実証・受け取り拠点
- 共創における役割分担イメージ
-
【PoC期間(6ヶ月)を通じた役割分担】 1~2ヶ月目(設計):山吉フードの役割=企業ヒアリング、原価試算、現場データの共有/パートナー企業への期待=自社の技術・サービスをPoC仕様に合わせて調整する初期設計への参加 3~4ヶ月目(実証開始):山吉フードの役割=商品提供、企業募集、直売所での運用/パートナー企業への期待=プロダクト・サービスの実装、初期運用のサポート 5~6ヶ月目(検証):山吉フードの役割=利用者・企業ヒアリング、結果集計/パートナー企業への期待=データに基づく改善提案、本格導入に向けた条件のすり合わせ
【領域別に期待する動き】 デジタル・AI領域:月1回程度の定例で、実証状況(発生量データ・実績記録等)を確認しながら、プロダクトを小さく改善するサイクルに伴走いただくことを期待します。大規模な初期開発ではなく、まず動くものを一緒に磨いていくスタイルを想定しています。 マーケティング・ブランディング領域:PoC開始前の2ヶ月目に、商品セットのブランド設計に参加いただき、実証開始後は、企業・利用者からの反応を踏まえて発信内容を更新していく役割を期待します。 地域拠点・ネットワーク領域:自社の拠点や企業ネットワークを、商品導入先・受け取り拠点の候補として提供いただき、必要に応じて地域企業への紹介役も担っていただくことを期待します。
- 応募にあたって特別求める提出物
-
貴社の技術・サービス・ノウハウの概要が分かる資料(既存の会社紹介資料や製品資料で構いません。新規に作成いただく必要はありません) 本事業のどの領域(需要予測・実績管理/予約・受け取りプラットフォーム/マーケティング・ブランディング/地域拠点・ネットワーク)に関心があるか、一言コメント